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改めて医療に対して思う事 [医療に対して思う事]

今晩は

「医療に対して思う事」http://tsworking.blog.so-net.ne.jp/2010-01-07
本当にお伝えしたかった事を、改めて書きたいと思います。
父に対する感情を抜きにして、きちんと記せれば・・と思います。

さて、父が転院していきなりベッド直結の酸素ボンベにつながれた事はご記憶にあ
ると思います。そして、担当医に私が思いっきり抗議した事も。
その時、私は何を危惧していたか。たった一つです。

「廃用症候群による、歩行能力が低下してしまう事。」
これだけです。付け加えるなら、「廃用症候群は医療関係施設が作りだしている」
と言う怒りと、介護保険施設やサービスの利用は絶対にしたくない。してしまったら、
本人も家族もある種のスティグマ(悪い意味でのレッテルとも言えます)をもってしま
うし、余計回復しなくなる。そう言った危機感です。

1年半ほど老人保健施設で健康体力作りに関わる機会を得ましたが、今考えても
思い出したくない。
通所の方もそうですが、やはり自分は元のように元気にはなれない、と言うあきら
めを感じる事もありました。その分、安静にしておとなしく、と言う考えもあるのでは
無いのでしょうか?やれる事も、転倒が怖いからと見守りでとなるから、結局意欲を
失ってゆくのではないか・・・。そう感じてもいました。
また、医療上の理由による身体活動制約や、年齢に対するマイナスイメージが、
廃用症候群を生み出しているのではないか?そう考えているのも事実です。

だけど、何故その状態に陥ってしまうのか?
最大の原因は病気です。その病気を防ぐ為にも、身体活動量を増やす事と食事の
バランスの重要性がやっと声高に叫ばれるようにはなりました。
しかし病気で入院したとして、医療上の理由で活動範囲の制限をしてしまったら
当たり前ですが、廃用症候群は生まれる。
医療が作りだしているんじゃないのか?常々そう考えているのです。

年齢もそうです。「年だから無理しないで・・」とはよく言われますが、違うのではな
いのでしょうか?
動けるのだからこそ、出来る事がある事、それが生き甲斐だと言う事を忘れないで
頂きたい。もし、そんな心配があるなら、行動を助ける良い靴を用意したり、その楽
しい時間を分かち合う方が余程大切ではないのでしょうか?

父の事で言うなら、転院当初肺機能は落ちてはいても歩行は出来たし、トイレも
自立していた。なら、いくら医学的に何時命に関わるかわからない状態だったとし
ても、トイレは酸素ボンベを移動式にして介助歩行か、全面見守り(これは女性に
とっては本当に辛いのですが・・)には出来ないのか?
そうやって出来る能力を少しでも維持しつつ、危険な状態を回避する方向に対応は
出来なかったのか?
この点だけはどうしても怒りが収まりません。

出来る事を制約すると言う事が、心と体に及ぼす影響の激しさを考えると、医療的
理由による制約について、考えてゆく必要があるのではないかと痛感するのです。

私に出来る事は、こうして発信してゆく事。そして、実際の現場で動く事の楽しさと
その時間や環境を創り出す為のお手伝いなんだと改めて感じます。

是非、皆様のご意見をお聞かせ下さいませ。

追伸:本当はこの記事退院後に書きたかった・・・。
書きたくなった理由はいずれ、別で書くでしょう・・・・。
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コメント 4

ぴよぴよ ベクトル

本当にね。
仰る事 実家の母に重なります。

きれいな施設でしたが 即 時間でおしめ交換出
全く 歩行不能者に、、、。

患者を 動かす手間を省くため
本当に動けなくしていくのかしら?
とまで 素人の私は思いました。

自分では 二人の高齢の
 舅姑を自宅介護しておりましたもので
これは これで 孤独な作業で
介護保険などもないころでしたけれど

晶文社の「老婆は何故家族に殺されるか」
を 看取りを終えたのちに読む機会を得ましたが

胸をうたれて 看護真っ最中にこのご本に出会っていたらなって
思ったことでした。

公的サービスを出来るだけ受けながら 
お身内に 堂々と協力を求め
介護か  資金か 分担して。。。云々

なんと言っても ご老人が 最後まで
可能な事のしやすい看護方でなければと
思い知ったことでした。

ちょっと 観点がずれましたが
貴女様のblogから 当時を想い出しましたもので。
ぴよ拝 
by ぴよぴよ ベクトル (2010-01-19 12:09) 

tsworking

ぴよぴよ様、言葉には尽くせない辛いご経験だったかも
知れませんね。
私には想像できません。

コメント頂き本当にありがとうございます。
by tsworking (2010-01-19 20:04) 

アクビ

これは本当に社会問題というべきものですね。
大変考えさせられました。

正直なところ、様々な問題を含んでおり、多面的に考えていかないとなかなか改善しない問題であろうと思います。

患者の人権尊重が大事なのもさることながら、医療や介護の現場における労働条件の過酷さ(並びに人手不足)、という側面も無視できないものがあります。

合わせて、行政や医療制度の問題もありますね。

現場で働く方々のご意見も伺ってみたらよいかもしれません。

お父様のこと、大変ご心配なのは良くわかります。
と同時に、医療現場の皆さんが必ずしも誠意がないというわけではないと思います。
個人の裁量でなんともしがたい部分も多々あるでしょうし・・・。
難しいですね。
改善を求めたいお気持ちはよくわかるのですが、その点をあまり性急に求めすぎても、ご自身も周りの皆さんもつらくなってしまいはしないでしょうか?
杞憂であれば良いのですが・・・。

介護制度は、必要に応じて積極的に利用されたら良いと思います。
利用することがスティグマになる、というのは正直よくわかりません。

医療や介護のあり方は、ケースバイケースで臨機応変に考える必要があるのではないでしょうか。

言いすぎでしたら申し訳ありません。
by アクビ (2010-01-19 23:17) 

tsworking

アクビ様

ありがとうございます。
介護保険はスティグマになると言うのは、私の私見です。
正直な所、「ここまで悪くなってしまったのだ」と本人にあきらめの気持ちを
持たせるツールにもなりかねないという事を、経験上感じてきました。
と同時に上手く使わなくてはならないとも考えています。

病院側の対応については、私が猛抗議をした点を除けば、誠意も含めて納得しています。
猛抗議の直後主治医がちゃんと理由を別室で母と私には説明をして下さいましたし、簡単に父にも診察をしながら話をしていましたので。
その後もきめの細かさに母はびっくりしている位です。
とは言えその説明も、もう少しタイミングを考えるなり、私が同席できる状況でお願いしたいなぁと言う思いはあります。
母の話と説明用紙の内容(これは担当医が何を説明するかというレジメ)
だけでは、実際の状況と食い違って納得の出来ない私は母と大げんかを繰り返すと言う状況である事と、母にかかりすぎる負担の大きさに・・・だからです。

私の立場は、元気な方がより元気になるお手伝いをする側です。
ですが、ある意味では足を突っ込んでいる者として、問題提起をさせて頂ければと言う思いだけで、この記事は書きました。
但し、今回書き直したのは、前回あまりにも私の私情が入り込みすぎていて、冷静な目線がなかったからでした。

主治医にこの事はぶつけるつもりはありません。
今ぶつける必要はない事ですし、何より社会全体で考え行くべき問題を
父の治療に求める必要はないからです。
但し、ADLの回復が遅れるようなら、また抗議はする事になるでしょう。
そうならない事を願いつつ。
by tsworking (2010-01-20 00:21) 

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